んんんん?
んんんんんん?
いろんなニオイにまぢって……。オチショーのカオリがするよーな、ちないよーな、ですの……?
……ん、なんだ?タルタルか!?
このヒトからおなじよーなカオリがするよーな……ですの?
なんだ、キキルンじゃないか。どうしたんだ?
あ、すいませんですの。あのう………。
ひょっとして、迷子になったのか?
ち、ちがうですの!あたくちは、おこさまじゃ、ないですわのよ!
子供はみんなそう言うんだよ。
違う種族の年齢は分かんないだろうね。
じゃあ、その大人がこんな大通りでウロウロとなにしてた?まさか、ここでは言えぬことでも?
そ、それどーゆうことですの!?シツレーちちゃうわですの!
ならば、なんでそんなにムキになる?
いや、失礼だからでしょう。
街に来て間もないって可能性考えないのかな。
外から来る人が極端に少ないのかしら。
でも、マウラと船便が繋がってるくらいだからそんなことないよなぁ。
あ、キキルンが来るのが珍しいのかな。
……どうも、怪しいな。ちょっと、衛兵所までご同道ねがおうか。
ぷんぷんですの!もうけっこうですわのよ!
あー、そっか。
この服着てるってことは、街を警備してる人なのか。
だから用心深いのね。
あ、こら!ちょっときみ、待ちなさい!
やですのーーー!!
あああ。
なんだか大変なことに。
タスケテですの!りぃさーーーん!
助けないわけにはいかない。
なんだ?邪魔するな。見世物じゃないぞ。
リリルンは何も悪いことしてないよ。
……ん?さっきから、こいつが助けを求めていたのは……さては、お前だな。ふん、こいつの保護者というわけか?
保護者…。
こちらのキキルン、超一流調香師なのに。
キキルンを下に見る風潮とかあるのかな。
いいだろう。身分を証明できるものを見せろ。
アトルガンで証明になるものって……サラヒム・センチネルの階級章か。
はい。
山猫伍長バッジがキラリと光った!
おお、そのバッジは……。
では、こちらの方はあの妖兵会社……失敬。サラヒム・センチネルの客人かなにかか?
妖兵って!
正規兵の間ではそんな風に呼ばれてるのか!
あら?あたくち、ジャノメたんていちゃのきゃくぢんですのよ。
え?あの社長。最近は、探偵業まで手を?
はわわ。
ま……それはそれとして、たいへん失礼いたしました。どうぞ、この件は社長には内密に……。
ナジャ社長に秘密に?
皇宮御用達傭兵派遣会社だけあって、皇室に対して発言力があるってことか。
おお、そうだ!なにかお困りのご様子でしたが?私も仕事柄、市井には通じております。なにかお力になれるかもしれません。
~ かくかくしかじかタイム ~
……なるほど、お師匠さまを探して……。
たちかに、たちかに、アナタからおなじカオリがするうるですの。
ですが、あいにく私は無風流にて香水などつけたことも……。
でも、なにかおもいあたることは、ありませんですの?その、カオリについて……。
……う~ん。なにも思い出せないですが……
ここ最近かぁ……なにか匂いが移るようなこと、しただろうか……。
……ああぁぁぁんですの。
タンテーさん、このヒトに、なにかジンモンちておもいださせてあげてほちいですの!
えええええ。
お師匠様はホワ~ンとフラワーのよいカオリだから食べ物は関係なさそう。
匂いが移るほどの香水をつけてる人と会ったなら気づくだろうし、まずは場所を聞いてみようかな。
今日どこに行ったの?
どこに行ったって?あぁ、そうだっ!ひょっとして、あれかな……。
なにか、おもいだちまちて?
実は私、休暇中、ナシュモに旅行してて、今朝、帰ってきたばかりなんです。いえね、なんであんなところに?って、同僚からはつっこまれましたけど……
その……実は、最近この街に増えてる、あの冒険者ってやつに憧れちゃって……。 恥ずかしながら、ナシュモまでプチ旅行して、冒険者気分を味わってみたって次第で。
なんと。
ま、彼らも最近じゃ、妖兵会社に、こき使われてる人が多いみたいで、それほど、気楽な稼業でもないみたいですけれど。
なんも言えねぇ。
おっと、失敬。
いえ、キにちなくていーんですの。つづけて……。
そのナシュモから帰るとき、キキルンたちに、わ~と囲まれたんですよ。いえね、最近も友だちのヒュームが、ここ皇都に帰っちゃったらしくて、彼らも寂しかったみたいで……。
昔は繫栄した港だったけど、疫病が流行って、ほとんどの人が町を出て、そこにキキルンが住み着いたのがナシュモらしい。
今も残る数少ない人が帰っちゃったのね。
その時、見送りに来てたキキルンの中の誰かから、匂いが移った可能性は十分ありますね。
ナシュモですのね、わかりまちたですの!
メータンテーりぃさん!さあさあ、まいりますですのよ!
うん。
まあまあ、おナカマが、たくさんですのね!
ふうーむ……うっすらとかすかにきえいりそうな、ほどなのですが……オチショーのカオリがするよーな、そんなキがする……ですの?
でも……いろいろなニオイがまざってて、よくわからないですわのね……。
それに……ちらべてまわろうにもこの、ボーダイなおナカマのカズ……。
ナシュモに来たの初めてなのね。
あたくち……チョーヂキ、なめておりまちたですの……。あたくちのタビは、ここまでですのかちら……。
そもそも、こんなひろいクニでニオイだけをてがかりにちて、ヒトさがちだなんて……ムリでちたの……?
そんなことないよ。がんばろ。
匂いで分かるなら、結構効率良いと思うんだよね。
話しかけることもなく選別できるし。
そ、そうですわのね!あきらめてはそこでオワリですわのね!
安西先生と同じこと言った。
さすがはメータンテーですの!ゲンバ100ペン、キキコミ100ニンのココロですのね~。
あ、ねえねえ、そこのあなた!
んー?
トトルンだ。
ちょっと、このカオリを、かいだことはないですの??
んんんー?あるるような、ないような……ないけどやっぱりあるるような……?
んも~、はっきりちないですのねえ。
はっ!
くふふ。
くふふふふふ!
な、なんだ?
いいこといいこと、おもいついたん!
……いーことって、なんなんですの?
嫌な予感しかしない。
ぼく、そのにおい、しってるる。おもいだしたのだぞ!
まあ、ほんと?どこでかいだか、あたくちにおちえてくださらないですの?
しるたい?しるたい?じゃあな、あんまいもの、もってきたらおしえてやげるぞ。
あんまいもの??
あんまいもの……?りぃタンテーさん、どうちまちょうですの……??
持ってくるしかないんでしょう。
まあ!ありがとうございますの。
でも……かんぢんの「あんまいもの」って、なんですの?
くふふふふ。あるざびの、ぷるん、ぷるるるるん!たぞ!
トトルン、走り去った。
ぷるるるるん……?あたくちには、なんのことだか、さっぱりなのですの……。
でも、こーいうとき、タンテーさんなら、きっとヒラメキ★ましたですのね?おねがいするですの。あたくちは、ここらでおとなちくまってるですの……。
名探偵だから、あらかじめ用語辞典で見て用意して来た!
パパーン!シュトラッチー!
わ!?シュトラッチだな!くふふふふ!まいどまいど、だぞ!
ぼく、そのにおいたたーばのうきぬぅ、でかいだことあるん。
うきぬぅ、のどこらへんなのですの?
ばしょはわすれたの……。
ええ。
………。
でもでも、ぷかぷか、たくさんたくさんあるところ、だったな?
……ぷかぷか??りぃさん、ぷかぷか、ってなんですのかしら?
あー、瘴霧の沼か。ナシュモ近くの真ん中に島があるあそこ。