
上等兵のアサルトもクリアしていくぅ!
このライアーフって人、風蛇将ナジュリスの弟なんだって。

ファルズンさん……。だんだんと、他の社員さんとの勤務評価に、差がついてきてます~。

……そう、ですか。
このままだと、僕は君に、キビシ~査定を下さなきゃならなくなっちゃいます。
上手く結果を残せてないのね。

あ!りぃさん。
こんにちは。
……君たちは、同じ時期に傭兵になったというのに。彼女は、今や上等傭兵なんですよ。それなのに君ときたら……。
まだ二等兵なのかな。

人事の僕から言わせてもらえば……
だって!ボ、ボ、ボクにはっ!……ボクには、じ、自分の勤務評価を自分の力だけで、どうにかする自信なんて、ないんです……。

ナジャ社長のトゲトゲは、怖いし……

ナジャ社長の机を叩く音も、怖いし……

最近だと、ナジャ社長のあの目で見つめられるだけで……

……ボクは……。

……ボクは……。

……ボクは……。

怖くて怖くて仕方なくって……今じゃ、あの曲がり角だって曲がれやしないんだっ。
マジっすか……。(なんで傭兵になれたんだ、この人……。)
そもそもどうして傭兵になろうと思ったんだ。

でも、ファルズンさん。傭兵勤務評価の基準、ちゃんと覚えてますよね?
はい、覚えてます……。

だったら、この前ナジャ社長に頼まれたことだけは、何があってもやり遂げないとダメです。

さもないと……。
わ、わかってます!わかってますから……、もう少しだけ。待っててください……。

……大丈夫なんです?
……わからないです。でも、とりあえず水だけでも汲んできます。それくらいならボクにも、きっとできるはずだから……。

(たぶんですけど……。)
そんな大変な所に水を汲みに行かないといけないのかな。

ふ~。どうやら、やる気になってくれたみたいです。よかったよかった……。
アブクーバも大変なんだなぁ。
あの社長で、曲者ぞろいの傭兵で。
上手く回してるアブクーバ、只者ではないのでは!?

え?彼はどうしたのかって?実はですねぇ~……

ナジャ社長。お使いいただいてる「水晶指向儀」の具合はいかがですか?
上々だよ♪

こいつのおかげで、あたいのかわいいモチゴマたちが……いつどこにいるのか、手にとるようにわかるんだからネェ。
…ん?

……このスイッチを押すだけで。ターゲットの経緯がわかるだなんて、皇国の錬金術ってのは計り知れないネェ。
お褒めに預かり、光栄ですわ。
持ち駒……傭兵たちに、GPS仕込んでるってこと!?

このたびナジャ社長を訪ねたのは、ほかでもない、水晶指向儀に関することでご相談があるからなんですよ。

サラヒム・センチネル社には傭兵が増えてきておりますでしょう?そのため、階級章に仕込んであるクオーツ発信器の製造がおいつかなくなってきていまして……。
階級章に仕込んでる!?
なんてこったい!!!

クオーツ発信器は、ターゲットの経緯を、水晶指向儀に逐一、伝達する役割を担うもの。その発信器の材料となる「霊晶水」が、足りなくて困っているのです。

霊晶水は、「霊晶泉」の水の霊晶濃度を調整することで、作り出すことができます。
アブクーバが出たり引っ込んだりしながらコソコソ聞き耳立ててる。
どなたか、手の空いている傭兵の方をお貸しいただけないでしょうか?

霊晶水の水汲みを、手伝っていただきたいのです。

ファルズン!

……はい。

ダンッ!
声が小さいっ!!
はっ、はい!

あんたってば、ちぃ~っとも勤務評価が上がらないネェ。自分でもそのことは十二分にわかってるんだろう?
怖いけども、社員がどういう状況かちゃんと把握してるんだよねぇ。
そんなあんたのためにっ!社長のあたいが、わざわざ仕事を見繕ってやったよ!
そして出来そうな仕事を回す、と。

ありがたく、受け取りな!!
こ、これは……。
そのメモを読んだら、さっさと錬金術ギルドにお行きっ!
は、はい……。

わかってるんだろうけど、ま・さ・か、こんなこともできやしないなんて……言わせやしないよっ!!

で、そのメモにはなんて書いてあったかですって?僕には、さっぱり理解不能な複雑な計算式がビッシリ……でした。
水汲みだけじゃない?
ファルズン大丈夫かな。
戦闘は苦手だけど、賢かったりするのかな。

……。
心配だなぁ。そう思いません?りぃさん。
うんむ。

ナジャ社長には、ほんとのほんとに、こっそりひそかにナイショですけど……同じ日に傭兵になったよしみということで、ファルズンさんを手伝ってやってはもらえませんか?
いいよ。

よかった!僕の見込んだとおりの人です!
アブクーバはやさしいね。
さっそく、ファルズンさんを追いかけてあげてください!きっとまだ、錬金術ギルドの辺りでウロウロしてるんじゃないでしょうか……。