
オーホホホホホホ!……よござんす!わたくし、それで手をうちますわ。
さすがは大使様。決断力があられて弊社としましても、おおいに助かりますわ♪

ナジャ社長とあんなふうに談笑できる人、初めて見ました……。(背筋に寒気が走るのは気のせいです?)
気のせいじゃないと思う。

なんて!なんてステキなんでございましょう。私どもの支社が中の国で営業!しかも!しかも、星の神子さまご公認!!
ええ?
そうか、全権大使だから決めちゃっていいんだ。

あらあら、いいんですことよ。ナバゴ処刑場ではりぃが、ほんとうに役立ってくれましたもの。
商談が進んだのは私のおかげ!?

こんな傭兵が来てくれたら我が国の、ふにゃけたミスラ傭兵団も気が引き締まるというものですわ。(まぁ、しょせんは、わたくしの弾除けでしたけれども。)

そうでしょう、そうでしょう♪しかも、これでも弊社の勇猛な傭兵の中では中堅にすぎませんですことよ。オホホホホ。
本当に…?

で、どのように計画を進められますこと?
そうでございますネェ。まずは場所の選定に社屋の設計、兵員徴募に組織編成……。
あの、社長……。

武器の調達に傭兵の調練、連邦軍との交渉に……。
ナジャ社長!

なんだい、うるさいネェ!
いえっ、あの、それほどの任務となりますと……ウィンダス駐在のイブワム先輩では、ちょっと荷が重すぎませんでしょうか……?

うっ……確かにそうだネェ……。
流石人事。全社員の能力を把握している。
うーん……。

うーーーん……。

オホホ。ずいぶんと、お悩みのようでございますわね。わたくしが、ズバッと解決してご覧にいれますわ。
シャントット様が?
ウィンダスの人を使うのかしら。

アブクーバッ!!
はっ、はいぃぃ!
!?

こちら、社員数は何人ですの?社員登録番号で教えてくださいますこと?
えっと、そ、それは……その、社外秘で……。

早くなさい!
弱りましたね~。あの、……内緒ですよ?
ナジャ社長、人選に気を取られて聞こえてないのかしら。

(ごにょごにょ……です。)
まぁ、そんなに!
そんなにいるの?
人数だけ多いのか、多いなりに凄腕の人もちゃんといるのか。

(でしたら、ちなみに、わたくしの、あの盾は何番ですの?)
えと、たしか……(ごにょごにょごにょ……です。)
あらっ、覚え易い数字ですこと。
えっ、何番なんだろう。

さて……わたくし、こちらの社員番号を使って人選のために占いを行ってさしあげますわ。

!?

占い……で、ございますか?
ええ、そうですわ。これは、はるか古よりウィンダスに伝わる算術、魔数分解を応用した……それは当たると評判のありがた~い、えらび唄ですのよ。
すごそう。

ど・れ・に・し・よ・う・か・な♪
えっ?
ほ・し・の・み・こ・さ・ま・の・い・う・と・お・り♪
ええー!?

な・ぞ・の・た・ね♪よ・ろ・い・む・し♪あ・か・モ・コ・そ~♪

ま・ほ・う・う・って~♪バババンッ・ドガンッ・ズガンッ!!

ええええええ!?

……でましたわっ!定めを背負いし者の番号が……。
そんなばかな!

そ、それで大使様?い、いったい……誰なんでございます?その運命の傭兵というのは……。

それは……。
(も、もしかして……。)

(ゴニョゴニョゴニョ……。)
ん!?その番号は……たしか、りぃ!!
(やっぱりです~。)

よりによって……。
あら?その役目、この者には荷が重すぎるとでも?
え?いえ。そんなことはないですけれども……。

大使様が盾と呼ばれるこのりぃは、聖皇さまの覚えめでたく謁見を賜ったこともあるほどの……ウチのエースでございまして……。

!?
ア★ノ ヨー★ヘイ キン★グ ヨ★リ ハイ★レベル ノ エンプ★レス ト コー★ト?
国際社会で王よりも皇帝の方が地位が上なのはヴァナ・ディールでも一緒なのね。

シカ★モ キン★グ ヨ★リ ハイ★レベル ノ エー★ス ダ★ト? オー★マイ ゴッ★デス!!
おおお!勘違いしてくれたぞ?
これでぶっ飛ばされなくなるかしら!?

……そのお話。くわしく話してくださいますこと?



…………アヴゼン!

アヴゼンいないから、メネジンがそばに控えてるのね。

……どこにいる?
……なにをしている?
キングとやりあった時みたいに通信できないのかな。
あれは、アヴゼンだけの機能?

……誰を、頼ればよい……?
……誰を、信じればよい……?

……わらわは、なにをすればよい……?
わらわ?
いつも一人称わらわだよね。
聖皇の「真似事」…。うーむ。

アヴゼンよ……。教えてくれ……。
メネジンの方が高性能っぽいけど、自分で考えて動けるのはアヴゼンなのね。


……ええ、それでお目通りの噂が広まったおかげで、履歴書も山のように届くようになりまして♪
山のように!?

(本当は、社長が広めたんですけれど……。)
oh…
それもこれも、この大使様の盾りぃの働きゆえでございますよ……。ですから遠地に派遣するのは、まさしく私の片腕を失うようなものでございます。

けれどもウィンダスに支社を築き、聖都をしっかりとお守りすることもまた、これは大切な弊社の使命と心得まして……このナジャ・サラヒム、断腸の思いではございますが……。

なるほど!あなたのおっしゃりたいこと、わたくしにも、よ~くわかりましたことよ。

りぃが、聖皇と接触するだなんて、まったく……想定外でしたわ。
え?ええ、そうですネェ。それはうれしいオドロキでございました。
こうなると、ますます当地でのりぃの重要性は増しますわね。
……ええ。それはもう…………ん?

オホホ。……仕方ございませんわね。わたくし、やっぱり、きっぱり、支社のお話、考え直させていただきますわ。

……ヘ!?
あら…。

あら、あなた。だって今さっきこう仰ったじゃありませんこと?「りぃを手放すのは、腕と腸を失うぐらい辛い」って。

いえっ、それは言葉のアヤでございまして……。
イッエ★ース! ワ★タシ ノ メモ★リー ニ★モ シッ★カリ ホ★ゾン サレテ★マース。

ちょ、ちょっと……お待ちください……!
残念ですわ。こちらの会社に、ゆくゆくは我が連邦の国防を……そんな青絵画を描いた瞬間が、わたくしにもございましたけれど……。

まさか……あなたに腸と腕を失うような思いをさせてまでわたくしは……。
オー★! カラババ★サマ ノ ハー★ト ハ ラ★ヴ アン★ド ピー★ス デー★ス!
シャントット様が震える演技してる…!!!

大使様っ……まさか、まさか……ウチの支社の件はっ!?

う~ん。とりあえず~白紙?
!!!!!
私が聖皇と接触したって分かったから、会社を作るなんて面倒なことをしなくていい。って判断したってことなんだろうけど。
嫌な予感しかしない。

それでは、わたくしこれにて失礼致しますわ。オホホ!

ダンッ!
待ちなッ!!

あら、困ったわねぇ、キングや。そろそろ準備しないと、宰相ご招待の晩餐会に間に合わなくなりますのに……。
そういえば、そもそも国賓として来たんじゃないですか。

!!
トゥー★レイト! シツ★レー デー★ス! コク★サイ モン★ダイ デー★ス!

…………。
そうですわね。それでは、みなさま。ごめんあそばせ~!
シャントット様の方が一枚上手だった…。
歴戦の黒い悪魔に対抗できる人っているのか?

(くわばら、くわばらです……。)

…………。

…………。

…………。

アブクーバッ!!
はっ、はいぃぃ!

シムシムだよっ。シムシムをまきなっ!ここいら一帯、隙間なく清めるんだよっ!
はっ、はいぃぃ!
シムシムって、ゴマだって。
アトルガンではお清めの塩みたいに使うのね。

んんん?
ん…?

おやおやおやおや~?これはこれは、りぃ中尉さん。現地ガイド兼人間盾を、ちゃ~んとやり遂げられたそうですネェ?

たったいま、大使さまからお褒めの言葉をいただきましたわ。さぞや、お喜びのことでしょう?
ちゃんと報告してくれたんだ。

そして、きっとあたいからの褒め言葉も期待してらっしゃるだろうネェ?

おあいにくさまだよっ!あたいは今、あんたの顔も見たくない気分なんだよっっ!!!
でしょうね!!
とっとと失せて、あたいを1人にしとくれっ!さもないと……



めっちゃトゲトゲ振り回すー!!

あんたの腕と腸をソーセージにして喰っちまうよっ!!
断腸繋がりーーー!!!