昇進試験~傭兵長 其の肆

アブクーバ あっ!早く早くっ!社長が、りぃさんを奥でお待ちです!
りぃ ん?どうして?

アブクーバ ……先に言っておきますけど、実は、ファルズンさんも一緒なんですよ。ナジャ社長にしぼられてるところです……。
りぃ ひぇ。

アブクーバ あ、で、でも!僕は、りぃさんが手伝ったなんて一言も言ってませんから!誓ってもいいですからっ。

アブクーバ さっ、早く行ってあげてください!ファルズンさん、今にも気絶しそうで……。

私が行くまで怒られ続けるのか…。
行ってやらねば…。

アブクーバ ……くわばらくわばら。(それにしてもなんで、ばれたんだろう……?)

ナジャ・サラヒム ようやく来たのかい?りぃ。
りぃ お待たせしましたで候。

ナジャ・サラヒム おやおやおや……。どーして、あたいがあんたを待ってたか、見当もつかないって顔してるネェ?

ナジャ・サラヒム すっとぼけるんじゃないよっ!

ナジャ・サラヒム も・し・か・し・て、かわいいモチゴマたちに関して、あたいの知らないことがあるとでもお思いかい……?

誰も言ってないのに、私が手伝ったことがバレて…?

……。

あっ!階級章に仕込まれてるGPS!!!!
あれで私が水晶泉に行って、ファルズンはずっと街の中にいたのがバレたんだ!

ナジャ・サラヒム まぁ、いいさ。りぃが、知らぬ存ぜぬを通したところで、これから……

ナジャ・サラヒム ファルズン!
ファルズン ……ヒッ!

ナジャ・サラヒム ……あんたが、口をわるんだからネェ。
ファルズン ヒィィイイイイ!

ひいいいいいい!

ナジャ・サラヒム フフン♪……ファルズン。あんたは自分の置かれてる状況が、よぉ~く、わかってるんじゃないのかい?

ダンッ!

ナジャ・サラヒム ……いつまで、だんまりを、決めこむつもりだいっ!あたいにだって、堪忍袋の尾っぽってやつがあるんだっ!?

尾じゃなくて尾っぽなんだ!?

ファルズン ヒィイイィイイイイ!

ナジャ・サラヒム 目の前で、どれだけメソメソ男が泣いてたって、あたいの心には響かないんだよっ。いい加減におしっ!
ファルズン ヒィイイィイイ!

それは火に油ですね。

ファルズン あ、あのっ……!ぼ、ボクはっ……!

ファルズン こ、このっ……りぃさんにっ……!

ファルズン れ、錬金術ギルドでの仕事を、いっばい、だぐさんっ……で、手伝ってぼらいました……。

ナジャ・サラヒム ヘェェェェェ……。

ナジャ・サラヒム ようするに、だ。

ナジャ・サラヒム あたいの恩情を、無下にしたってことじゃないのかいっ!?
ファルズン ……はい……。

ナジャ・サラヒム せっかく用意してやった仕事をホイホイと、他の社員に依頼するだなんて、どういう了見なんだいっ!?
ファルズン (……ス、スミマセン……。)

いや、ファルズンもしっかり錬金術のやり方覚えたし、自分ができないことをできる人に任せられるのも仕事の能力…って言わない方がいいな、今はっ。

ナジャ・サラヒム ……聞こえないネェ。

ファルズン ス……

ファルズン すびばせんでしたっ!!

土下座ァ!!!

ナジャ・サラヒム ……己の非を、認めるっていうのかい?
ファルズン ……は、はい。

ナジャ・サラヒム もちろん、落とし前をつける気はあるんだろうネェ?
ファルズン ……ヒッ!じゃなくて……、はいっ!!

ナジャ・サラヒム そうかい……。ファルズン、あんたの覚悟は、よぉおくわかったよ。

ナジャ・サラヒム さて、ファルズンはこのように言ってるわけだけど、りぃ、あんたはこの件について、どうお考えだろうね?

そんなに咎めることもないし、ファルズンは傭兵に向いていないから今回の仕事で退職にして、錬金術ギルドに入ったらいいと思ってる…。

ナジャ・サラヒム ……怒らないから、言ってみてごらん?今のあんたが思ってる、傭兵のつとめってのは何なんだい?

選択肢が出てきた。

怒りのナジャ社長が気に入る答えって何だろう。

りぃ ご公務を遂行すること。

ナジャ・サラヒム そんな当たり前のことを堂々と述べてるようじゃ、あんたもまだまだ上等傭兵どまりってとこかネェ。

ナジャ・サラヒム 我が社の社員の本分は、傭兵としての仕事を、まっとうにこなすことさ。今更それをわかってます、だなんてすっとぼけたこと言ってるんじゃないよっ。

なるほど。
もう立派な社員であり、求められるのはプラスアルファの部分と。

りぃ 後輩の面倒をみること。
ナジャ・サラヒム パンパカパーンッ!たいへん、よくできました♪

ナジャ・サラヒム ……ま。このくらいは、あんたにも、そろそろ理解してもらわないことには困るんだけどさ。我が社では、いつまでたっても人材が育たないとなっちゃあ、サラヒムの名折れってやつだからね。

それは確かに。
そういえば傭兵って何人いて、どの階級にどのくらいいるんだろう?

ナジャ・サラヒム ……よく後輩の面倒を見てくれたよ、りぃ。

ほっ、褒められたーーーー!!?!?

ナジャ・サラヒム ほらっ!いつまで、そこに座ってるんだい?
ファルズン え……?あ……、はいっ!

ちょっと待って。
机に頭がめり込んでない?大丈夫???

ナジャ・サラヒム あんたはね、見習うべき先輩がいるってことを覚えておきなっ!あたいが、あんたに言いたいのは、それだけさ。
ファルズン ……はい。

ナジャ・サラヒム りぃ、あんた、もしかしたら錬金術の才能でもあるんじゃないのかい?何事だいってくらいに、ギルドの職人が謝礼をはずんでてさ。あたい、ホクホクしちゃったよ♪

あ、それは用語辞典の力です…。

ナジャ・サラヒム アブクーバ!
アブクーバ はっ、はいぃぃ!

ナジャ・サラヒム 例の謝礼からうちのマージンを差し引いた分をりぃに、渡しときなっ!
アブクーバ はッ、はいッ!

ナジャ・サラヒム 人事の仕事……それが、あんたのつとめなんだからネェ。……しっかりしておくれよ?

アブクーバ ……はッ、はいッ!!(ば、ばれてる……。)

ナジャ社長には隠せない…。

ナジャ・サラヒム いいこと?りぃ上等傭兵。あんたは、たった今から人の上にたつ身になるってことを、肝に命じて働きなっ。

階級が上がるのですね!やったー!

ナジャ・サラヒム なんたって、これからは傭兵長として今まで以上に、我が社のために身を粉にして働いてもらうんだからネェ。

……やったー?

ナジャ・サラヒム あたいの期待を裏切るような真似をしたら、このモーニングスターが火を噴くよっ!

アトルガン黄金貨を2個手にいれた!
だいじなもの:山猫傭兵長バッジを手にいれた!
「傭兵長」に昇格した!