ズヴァール城にきたよー。
この七色の光、もしかして母なるクリスタルの光?
さてさて、闇の王の復活を止めてと言われたけど、そういえばどうやって復活するんだろう。儀式でもしててそれを邪魔するとか?
魔晶石とガルカンソーセージを供えて、その周りを円になって槍持った獣人がどんどこどんどこ…
クピピの分身はちゃんと見てるのなの。ふざけてないで急がないと星の神子さまに報告するのでーす!
キャー!ヒサシブリネー!
めっちゃ急ぐッス。
道順はネットで調べた!完璧!
情報載せてくれてる人たちいつもありがとう!
穴に落ちたり、ワープがあったり。
エリアごとに違う獣人がいたり。
レベル差があって絡まれないのがこんなに楽なんて!!
来たよ。最奥。ズヴァール城の本丸。
あそこに行けば闇の王の復活の邪魔できるのね。
おじゃましまーす。
あれ?どんどこ儀式してない。
ん?あれは?
これは!?
ぎゃあああああ!!!びっくりしたあああああ!!!!!
闇の王の棺か!?
知らんわ!!!
後をつけてきてたの!?
便乗ここに極まれり!
ん?光った!?
蓋が開いた!!
あれー!?
儀式してないのに復活しちゃったよ!?
あっ、もしかして地下の母なるクリスタルの所でやってたの?
暗黒騎士…。20年ぶりだな、ザイド。
あら、お知り合い?
ちッ、なんてことだ!!ほんとに、こんなことが…!?
俺は死なぬ。おまえ達人間どもを、根絶やしにするまではな。それに、もとより俺は長命種だ。そう簡単に消されはせぬぞ。
あの最後の戦いで剣を交えた時、もしやと思ったのだが…おまえ…、まさか、ガルカなのか?
直接戦ってたのね。
30年前に、俺は…俺たちは…、この呪われた地を調べていた。この地に眠るとされる、未知の力を求めて、な。そうして、まさにこの地で、俺は友に裏切られ、殺されたのだ!
ウルリッヒと友達だったんだ?
単に仕事仲間なのかと思ってた。
ミスリル銃士隊一の剣士であり、当時獣人との和平の道を訴えていた俺が、ウルリッヒはジャマだったのだ。
ミスリル銃士隊だったんだ。
アヤメやナジが入ってるやつだよね。
そしてコーネリアも、俺をかばって、ヤツらに…。
ヤツら?
ウルリッヒだけじゃなくて、複数人いたの?
同じ北方調査隊だったフランマージュたちはその場にいなかったし、関係ないよね?
誰だ?
それとも、共犯者だと思ったのかな?
30年前、友に裏切られ、確かに一度俺は死んだのだ…。だが、それで終わりではなかった。地下深くに眠る力に触れて、俺は死からよみがえったのだ。死を超えた肉体と、幻獣と心をかよわせる能力を手に入れて、な。
幻獣と心かよわせたの?
フェ・インにいるっていう?
え、何なのよ。教えてよ。
そして、その時はじめて俺は気づいた。気づかされたのだ。自分のうちにずっと秘められていた憎しみに。
いや、俺個人の憎悪ではなく、もっと深く、激しい、ガルカという種がずっと抱えていた、うずまく憎しみの炎だ。
ヒュームに酷い目にあわされ続けたとか、もっと昔のアンティカに故郷を滅ぼされたとか、もっと前にあったなにかとか、全部かな。
お前たちにはわかるまい、我らのなかに眠る、深いこの憎しみは…。その炎に身をまかせ、俺は人であることをやめた!!
ガルカのザイドにも分からないの?
語り部だから分かってしまったのか。
剣がデテキター!
まさにおまえ達、人間どもが、俺を目覚めさせたのだ。憎しみの化身、闇の王として!!
その時、俺は誓った。人間どもをこの地から一掃してくれるとな!ひとり残らず、だ!!20年前は不覚をとったが、今度はそうはいかぬぞ。
え?
くっ、きさま!?
あんたなんで簡単につかまってんのよ!?
そこで見ているがいい、ザイド。きさまにも、俺の憎しみがわかるはずだ。ガルカである以上は。
俺が内なる炎に焼き尽くされて果てるのが先か、おまえ達人間どもがこの地から消えてなくなるのが先か、ふたつにひとつ!
さあ、来い、人の子よ!死ですら、もう俺をとめることはできぬのだ!我が憎しみ、思い知らせてくれる!!